ヘンプ(産業用大麻)とは
ヘンプ(英: hemp)は、アサ科の植物のうち、繊維・種子・成分などの産業利用を目的とするものを指す呼び名です。日本語では「産業用大麻」とも呼ばれます。精神作用をもたらす成分THCをほとんど含まない品種・製品が、世界中で食品・美容・素材の原料として活用されています。
ヘンプの可能性
ヘンプは、食品からCBD、繊維、建材、エネルギーまで——一本の植物からこれほど多くの産業が生まれる作物は他にありません。世界市場は年率約18%で拡大し、日本でも法改正を経て産業化が始まっています。
市場規模は各調査会社の推計値です。
1本の植物、まるごと使える
根から花まで、捨てるところがほとんどありません。部位ごとに、まったく違う産業へつながっていきます。
- 種子
- 食品・ヘンプシードオイル・化粧品
- 花・葉
- CBD・ウェルネス製品
- 茎の靭皮繊維
- 繊維・アパレル・紙・ロープ
- 茎の芯(オガラ)
- 建材・バイオプラスチック・敷料
- 根
- 土壌改良・炭素固定
産業別に見るヘンプ
食品・飲料
麻の実・ヘンプシードオイル・プロテイン。植物性たんぱく質と必須脂肪酸の供給源として広がっています。
CBD・ウェルネス
オイル・化粧品・飲料まで、ヘンプ由来成分を使ったウェルネス製品が世界的に伸びています。
繊維・アパレル
丈夫で通気性に優れた天然繊維。衣料・帆布・ロープに古くから使われてきました。
建材(ヘンプクリート)
オガラと石灰を混ぜた調湿性の高い建材。断熱と炭素固定の両立が期待されています。
紙・パルプ
成長が早く、単位面積あたりの繊維収量が高い。木材パルプの代替として研究が進みます。
バイオプラスチック・自動車部材
樹脂と混ぜた繊維強化複合材が、自動車の内装パネルなどに採用されています。
飼料・ペット用品
搾油後の粕は飼料に、オガラは家畜やペットの敷料として利用されます。
バイオ燃料・エネルギー
茎や種子を原料にバイオエタノール・バイオディーゼルを製造する研究が進んでいます。
農業・土壌
生育が早く輪作に向く作物。土壌の団粒化や重金属の吸収についても研究されています。
JIHE 2026 は、この広がりを一堂に体験できる場です。
ヘンプの主な用途
CBD(カンナビジオール)
ヘンプ由来の成分で、ウェルネス・美容分野で世界的に注目されています。オイル・化粧品・飲料など幅広い製品の原料に。
食品
ヘンプシード(麻の実)・ヘンプオイル・プロテイン。七味唐辛子の麻の実など、日本の食文化にも古くから根付いています。
素材
繊維・紙・建材(ヘンプクリート)・バイオプラスチックなど、環境負荷の低いサステナブル素材として注目。
農業・環境
生育が早く、農薬使用を抑えやすい作物。CO2吸収や土壌改善の観点からも研究が進んでいます。
「大麻」と聞いて不安に思われた方へ
同じアサ科の植物でも、薬物として規制される大麻と、産業利用されるヘンプ(産業用大麻)は、利用目的も規制上の扱いも異なります。
日本では2024年12月に改正大麻取締法が施行され、規制の基準が「植物の部位」から「THCの含有量」へと変わりました。国が定める残留限度値以下の製品だけが、適法に製造・流通しています。
JIHE(国際ヘンプ博覧会)で出展・展示されるのは、この基準を満たした適法な製品・原料・技術です。
日本は「新法時代」へ
2024年12月の法改正により、THC残留限度値にもとづく明確なルールが整いました。日本は独自の規制体系のもとで動き出した市場であり、小売・美容・食品・ウェルネスの各業界で取り扱い・製品開発が広がっています。
また、同じ法改正では、大麻由来医薬品が国の管理のもとで使用できるようになり、医療分野での研究・活用も国際的に進んでいます。JIHEのカンファレンス「カナコン(CannaCon)」では、こうした医療用大麻をめぐる国内外の動向や学術的な知見も、専門家とともに取り上げます。
よくあるご質問
ヘンプ産業の実物に触れる
JIHE 2026(国際ヘンプ博覧会)では、国内外のブランド・原料メーカー・検査機関が一堂に集まります。入場は無料(事前登録制)です。